ぜいたくなあさ

 

耳の上の方で、かすかに、ちゅんちゅんという音がしたような気がした。

今度は頭のどこかから、瞼を上げる、という指示が聞こえてくるような気がする。

しばらく知らんぷりをしたところで、少しばかり億劫に思いながら瞼を上げる。

視界が開く。開く。開く。

ぼやーっと明るい。

すると今度はゆっくり上から黒い幕が下りてくる。

再び、上がる。

その時にはもう、ちゅんちゅん、は耳の中へ届いている。

明るいな、と思い、「うーぅぅーん!」と音を発しながら伸びをする。

意味もなく横にゴロンと一回転。

そして体から布団をはぐ。

布団があってもなくてもいいような、心地良い日だと気づく。

ふと足元に差し込む光を見ようと頭を持ち上げる。ふむ。

光は足を通り過ぎ、その先の椅子をてかてか照らしている。

いつもよりたっぷり寝られたようだ。

満足げに布団を体へ引き戻す。

 

それでもやはりちゅんちゅんという声は私の耳めがけて飛んでくる。

 

うぅーん。ぜいたく。