ごくごくたまに、電話がなる音が恋しくなる。

ごくごくたまに、電話がなる音が恋しくなる。

 

大学で台湾に来てから、よく長電話をするようになった。以前は電話というものを嫌って、スマホ越しに誰かと会話するなんてことは全くなかった。しかし最近になってスマホの通話履歴を見てみると、ほとんど毎日自分発信の一時間越えの電話をしていることに気づき、自分の変わりように笑ってしまう。環境の変化っていうものは恐ろしい、本人も気づかないうちにすっかり性格を変えてしまう。

 

その日の夜も私は電話をかけようとスタンバイをしていた。おん?父からピコンとメッセージが飛んできた。「聞きたいことがある。」独特な始まりに少しばかり力が入る。しかし、待っても待っても次のピコンは飛んでこない。ピコンの代わりにブー、ブーとスマホが振動し始めた。父から電話がかかってきた。

 

父が聞いてきたことは、電話で話すに足らないぐらい心底どうでもいいことで、その後の雑談の方がよっぽど長かった。話している途中心の中で、そういえば最近単身赴任で一人暮らしを始めた父も電話したくなったのかな、なんてぼんやり考えていた。

 

これまで気づかなかったが、誰かから用もない電話がかかってくることはなかなか幸せなことなのかもしれない。これからも寂しくなったら積極的に電話をかけることにしよう。